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活動報告

日本造血細胞移植学会総会・市民公開フォーラムに参加しました

2008年3月1日、大阪国際会議場にて「第30回 日本造血細胞移植学会総会」と市民公開フォーラム(主催 NPO法人関西骨髄バンク推進協会  後援 厚生労働省・大阪府・大阪市)が開催されました。
この催しの第1部 「パネルディスカッション」に、当法人理事であり、書籍「命耀ける毎日」の著者である中井まりが、主催者様より演者の1人としてお招きを受け、登壇させていただきました。以下に、当日の模様につきまして、中井よりご報告させていただきます。


第1部のパネルディスカッションはまず、財団法人骨髄移植推進財団 理事長 正岡 徹さまと第30回日本造血細胞移植学会総会 会長 平岡 諦様のご挨拶から始まりました。その後に、第一部のパネルディスカッションへと移りました。

日本造血細胞移植学会総会・市民公開フォーラム
日本造血細胞移植学会総会・市民公開フォーラム

パネルディスカッションは、『患者の求める医療を実現させるための患者の役割』と題され、私がパネリストとして課せられたテーマは、【患者家族としての医療の現状の認識】でした。これについて、以下のようなお話をさせていただきました。

患者家族としての医療の現状の認識

私の長男、耀は今から7年前、進行性の難病「ムコ多糖症」と診断されました。当時は、これといった治療法もなく、お薬もありませんでした。
唯一、骨髄移植をすれば、病気の進行を止めることが出来るかもしれないと、リスクを承知で、骨髄移植を希望しましましたが、親族にはHLAの一致者はいませんでした。
骨髄バンクに登録しましたが、ドナーになってくださる方は見つからず、一人でも多くの方にドナー登録をしていただこうと、藤岡さんや西村さん、関西骨髄バンク推進協会のみなさんに助けていただきながら、活動に参加させていただきました。

数年後、アメリカで、ムコ多糖症2型治療薬の研究が進んでいることを知り、アメリカへ渡り、治療薬の臨床試験(治験)に参加しました。その治療薬が、去年の10月、日本では異例の早さで承認されました。それでも、アメリカの承認から1年2ヵ月後です。
耀が治験で、アメリカへ行っている時には、先に治療薬が開発されていた、ムコ多糖症1型の患者さんたちは、もう治療を受けていましたが、日本ではまだでした。
ムコ多糖症1型治療薬は、アメリカから遅れること3年半、やっと日本で承認されました。ドラッグ・ラグです。

ムコ多糖症は、進行性の難病です。
異例の速さで承認された、2型でさえ、19歳の聖也くんは亡くなってしまいましたし、1型の愛ちゃんは、治療薬がこの世に存在していることすら知らずに亡くなりました。卵巣がんの治療薬の一つも、アメリカの承認から8年経ってもまだ、承認されていないと聞いています。
ドラッグ・ラグの問題は、希少難病の子供たちだけのことではなく、日本の問題、健常な方たちにとっても身近な問題として、考えていただきたいです。いざ、病気になった時に、使いたい薬が使えない現実があることを知っていただきたいです。

希少難病の治療薬は日本で開発されないこと、ドラッグ・ラグの問題、などを5分間という限られた時間内で収めねばなりませんでしたので、話し足らないことが多かったです。

一緒にご登壇された方々は

会場とのフリートークの際、「日本の医療に満足しているか?」について、ご指名があり、次のようにお話しました。

日本の医療に満足しているか?

健康に過ごしてきた私にとって、白血病や難病は遠い話で、骨髄移植なんて物語の中の世界のことと思っていました。ところが、わが子がこのような難病と診断され、日本はとても豊かな国で医療にも恵まれていると思っていたけれど、実は、病気になるととても住みにくい、豊かではない国であるということを知りました。
この世にそのお薬が、存在するのに、日本に住んでいるから使えない現実があることを知ってください。

会場とのフリートーク
会場とのフリートーク

最後に、時間も押している中、わざわざ川上先生が私に、機会をくださり、

新生児タンデムマススクリーニングの重要性

ドラッグ・ラグの問題を抱える中、せっかく承認された治療薬を、生まれたときから投与してあげれば、もしかしたら元気で大きくなれるかもしれない、少しでも長く、家族と楽しく過ごせるようになります。
それには、新生児タンデムマススクリーニングの重要性、それを実現するために署名活動をしていること、機器の購入に3000万円掛かるためそれを購入するため、研究者へ寄付するために募金活動をしていること、書籍の販売をしていること。

をお話させていただくことが出来ました。

日本の医療をリードするそうそうたるメンバーと登壇をご一緒することに、はじめは萎縮してしまいましたが、控え室でお話を伺うと、「ドラッグ・ラグ」のことなど共通する内容が多く、司会もされる川上先生に新生児タンデムマススクリーニングの機器への募金などへのご理解を頂き、最先端の情報も伺うことが出来ました。

また埴岡先生は、第一会場で「公開討論会」の座長をされておられたために、ギリギリでお越しになりましたが、耀が骨髄バンクニュースの表紙になっていたことを知っておられて、話しかけてくださいました。登壇終了後は、正岡理事長に「中井さんのお話が、会場の心を打った」と褒めていただき、私の一番の理解者である長女の海里には「次の人も、その次の人も、中井さんのおっしゃるとおり・・・って、言ってた、スゴ〜イ!」と言われ、大変緊張し、まだまだ未熟ではございますが、会場のみなさまには、何とか思いが伝わったと、感じております。

第2部 劇団往来プロデュース公演
「・・・もう一人の君に〜夏子〜」
原作者は、厚生労働省大臣官房人事課の向本時夫さん
骨髄移植を求める白血病患者と家族、ドナーになる側の若者の感動の物語

上演後、会場からは、感動の拍手が鳴り響いていました。

「市民公開フォーラム」の主催者である NPO法人関西骨髄バンク推進協会さまのご好意で実現した、当日のムコネットブースは午後3時半より活動を開始、新生児タンデムマススクリーニングの早期認可と導入・実施を求める請願のための署名活動、募金活動、ムコネット書籍「新薬、ください!」と「命耀ける毎日」の販売をいたしました。

ムコネット書籍「新薬、ください!」と「命耀ける毎日」の販売
ムコネット書籍「新薬、ください!」と「命耀ける毎日」の販売

ムコネットボランティアのリーダー三島さんをはじめ、伴藤さん、松下さん、武本さんによる積極的な活動により、多くの方々から署名と募金が寄せられました。
署名、募金、書籍購入には、日本中から集まった医療の最先端の先生方やバンク関係者さま、劇団関係者様がご協力くださり、また今回の総会会長で成人病センターの平岡 諦先生や茨城県立こども病院院長 土田昌宏先生にも、新生児タンデムマススクリーニングの署名をいただけたことは、大変意味のある成果ではないかと、自負いたしております。

NPO法人関西骨髄バンク推進協会さまは、自法人の受付スペースを全てムコネットにご提供くださった上、募金活動も重なる中、募金箱設置を快諾、当日はスタッフの方々がお忙しい中、全面的に協力していただき、最後は一緒に募金活動の列にも入れていただきました。

みんなで記念撮影
みんなで記念撮影

今回の催しで、医療の最先端をリードするみなさまと登壇をご一緒させていただきましたことを心より光栄に思っております。
そして、NPO法人関西骨髄バンク推進協会のみなさま、全面的ご協力、ありがとうございました。
みなさまの活動へのご姿勢、ご配慮などには学ぶところがたくさんあります。私どもも、後に続いていくよう精進していく所存でございます。

結びとなりましたが、今回この機会を与えてくださった「NPO法人関西骨髄バンク推進協会」専務理事の藤岡八重子さまに、心から感謝申し上げます。

NPO法人ムコ多糖症支援ネットワーク 中井まり